イースセルセタスの樹海のプロローグ |
プロローグ |
ゴールドラッシュに沸くロムン辺境の街 キャスナ
赤毛の青年が、鉱員や人足が行き交う中を彷徨っていた。
その肩が荒くれ者の鉱員にぶつかり、因縁をつけられて、したたかに殴りつけられる。
「ここは一体どこなんだ?……僕は……誰だ?」
青年がつぶやいた、その直後のことだった。
「おい、アドル、アドルじゃないか!」 不
意に声をかけてきたのは銀髪で偉丈夫と言ってもいい体躯の持ち主だった。
もちろん青年には見覚えがない。
風貌のわりに馴れ馴れしく、妙に軽薄な男は情報屋のデュレンと名乗った。
デュレンによると、どうやら自分の名前はアドル・クリスティンというらしい。
数週間前にこの街でデュレンと出会ったアドルは
地元の人間も滅多に踏み込むことのない《セルセタの樹海》へと旅立ち、
その後消息不明になっていたというのだ。
魔の領域と呼ばれる《セルセタの樹海》で一体自分に何が起こったのか?
何故自分は一切の記憶を失くしてしまったのか?
真相を確かめるため、アドルはデュレンとともに 禁断の地《セルセタの樹海》に再び挑む決意をするのだった
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