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武器名 |
ストーリー |
小型剣 |
信義 |
遥か東の国の都に歌を詠むことで生計を立てている歌人がいた。
しかし彼は人々の心に届かず金にはならない。
日々の生活は苦しくなるばかりだった。 |
己が才能の限界を感じた男はやがて筆を祈り、畑をたがやすようになっていった。
真っ白だった肌は日に焼けて黒くなり、華箸だったその身体は力仕事で逞しくなってゆく |
やがて男は妻をる。気立ての優しい穏やかな妻だった。
数年後には子宝にも恵まれた。平和な日々が通りゆぎてゆく。
男は知った。これ以上の幸せは無いと。 |
そこまで書くと歌人は筆を置き紙飲み込んだ。
才は要らない、次はこのような人生を歩みたいと願いを込めて。
そして自分のモノではない血で汚れた吟信義を自らの胸に深く沈めた |
鉄パイプ |
もし、おにいちゃんがね、さむいさむいって言ったらこのボウシをお兄ちゃんにあげるの。
だっていちだん大事なおにいちゃんだから! |
もし、おにいちゃんがね、オナカへったよーオナカへったよーって言ったらこのクッキーをあげるの。
だっていちばん大好きなおにいちゃんだから |
もし、おにいちゃんがね、こわいよーこわいよーって夜に泣いていたらね。
いっしょに毛布に入ってあげるの。だっていちばんなかよしなのは、おにいちゃんだから |
だからね、おにいちゃん
どこにもいかないでね?
ヨナを、ひとりにしないでね……おねがいだよ? |
百獣の剣 |
むかしむかしある王国の三人姉妹の女王がいました。
三姉妹の二女は賢くはないけれど世界一美しいと評判で、隣国の王の下へ嫁ぎました。 |
隣国の王は二女の美しさをこの上なく愛しました。
毎日六回は新しいドレスに着替えさせ、毎日八回は新しい花を贈ります。
愛される喜びに、二女の美貌は輝きを増しました。 |
王の為にも美しくありたいと願う二女は、ありとあらゆる方法で美の技を求めます。
しかし永遠に美を保つ術だけは手にできません。
そんなある日、二女は妙案を思いつきました。 |
二女は自らをはく製とし、永遠の美となる事を選びました。王は涙を流して感動します。
二年後、隣国に戦が起こり、はく製は瓦礫に押し潰されぐちゃぐちゃとなりました。 |
不死鳥の短剣 |
式のその日に親を殺され、愛を誓う男を殺された娘がいた。
「やつらを殺せるなら死んでもかまわない」そう願う娘の前に光輝く小鳥が現れた。 |
「叶えましょう。その剣に願い続ければきっと」小鳥は娘に短剣を授けた。
娘はそれをかき抱き、涙ながらに呪を吐く。
「何があっても私は永遠に忘れない。どうか奴らには酷い死を」 |
時が経ち、復讐を果たした娘は老女になっていた。再び小鳥が現れる。
「願いは?」そう言われても、老女は何の事だかわからない。
そういえば、大事にしていた短剣はどこに? |
その夜、老女は家に強盗が押し入った。
かろうじて生き延びた老女の前で光り輝く小鳥が再び問う
「今度はいつまで憎んでいられますか?」 |
古の覇王 |
ある日、少女が住んでいた村が盗賊に襲われた。
少女は家族を守るために、父が山中で拾ったという剣を手に取り、生まれて初めて人を斬った。
血にまみれた娘に家族は怯えた |
村が盗賊に襲われたのは一度きりだった。
その後十年二十年が経ち、守った家族が老いていく中で少女一人だけが年を取ることがなくなった。 |
居場所がなくなった少女は村を出る。
何年も歳月をかけて放浪の旅を続け多くの国を渡っていった。
やがて少女は無類の剣豪として世に名を馳せる事になる |
無限の命と、強力な剣そして長年の知恵、力を得た少女は
一国の女王までのぼりつめ、何不自由もないように見える。だが少女は手に入れていない
。あの時欲しかった父の優しさだけは。 |
機械生命体の剣 |
過去の資料を読めば読むほど人類という種族の面白さが際立ってくる。
我々機械生命体にとっては、貴重な資料となるだろう。
今後は継続して記録していこう。 |
人類の記録をよくみると、繁殖好意と捕食行為が生命維持の重要な要素らしい。
にも関わらず、それらの行為を罪深いコトとして捉える傾向がある |
今日は本を拾ってきた。
調べたところ人類世界ではとても有名な本らしい。
は、10回程度読んでもまったく理解できない。一体この文字列のどこに魅力があるのだろうか? |
わかった!私には人類の…いや、世界のすべてが理解できない事がようやく判明した!
この世界が永遠に終わらない謎で満ちているとは、なんというすばらしい事なんだろう |
四○式戦術刀 |
【ヨルハ技術開発部日誌:8月29日】
本日は新武装の開発発表会だった。
他の軌道衛星からの偵察も多く期待されていることが伺える |
【ヨルハ技術開発部日誌:12月10日】
本日はコアの組み込み実験だったが予想外の不規則な出力と、コア外周部のプロテクト問題 |
【ヨルハ技術開発部日誌:1月8日】
コアのプロテクトの解除を試みた部員3名の回路が立て続けに焼ききれた
部員の補充を新生した |
【ヨルハ技術開発部日誌:1月15日】
司令部より正式な開発停止命令。
本武器はコアを封印したまま正式運用が決定された |
三式戦術刀 |
その職人が作る武器は飾りも無く色気も無く、おおよそ美術品としての価値はなかったが、
実践ではよく斬れると評判で、求めるものが後を絶たなかった |
ふと、職人は思った。
自分は人を斬ったことがない。試し斬りはいつも豚か牛の死骸だ。
だが皆はよく斬れるという。人を斬るというのはいったいどのような手応えなんだろう |
職人は己の剣を手に戦場に向かった。
転がる死体を斬っては、あまりにもすなりと通る刃の威力に驚いた。
全くもってつまらない。もっとーーもっと斬った手応えが欲しい |
かくして職人は、手応えを求めて剣に加工を施した。
斬られる側の苦痛など微塵にも考えず。だが、完成した剣は押し入った夜盗に奪われ、
職人はその体で計画通り苦痛を味わった |
白の契約 |
私はいつまで戦い続けるのだろう。
この血塗られた、戦場の渦の中 |
私はいつまで戦い続けるのだろう。
終わる事のない、無限の戦争の中で |
私はいつまで戦い続けるのだろう。 |
私はいつまで戦い続けるのだろう。 |
黒の契約 |
むかしむかし、ある所に。七人の少年がいました。
少年達は同じ場所で生まれましたが、兄弟ではありませんでした。
でも、みんな仲良しで暮らしていました。 |
ある寒い夜。
占い師がやってきて言いました。
「お前達兄弟の仲に裏切り者がいる」少年達は占いを信じませんでしたが、
翌朝になると七人のうちひとりが殺されました |
それから毎晩一人ずつ殺されていきました。
アスには自分が殺されるかもしれません。
少年達はお互いを疑いはじめ、誰を信じていいのかわからなくなっていきました |
6日後の朝、最後に生き残った少年がたっていました。
結局誰が裏切り者だったかわかりません。
少年は血まみれの手を見ながら「裏切り者を探しに行かなきゃ」と笑いました |
ヨルハ制式鋼刀 |
こんにちは!ラジオを聴いているみんな、今日も元気かなあ?うんうん。
それじゃあ本日もボクっ娘24Dがパーソナリティを務める「モーニング☆レター」を始めちゃいます |
やあみんな!元気?うん。
わかってる…昨日の掃討作戦は沢山の犠牲者が出ちゃったよね。
だけどそんな時こそ残されたボク達は元気を出さなくちゃいけないんじゃないかな? |
最近お便りが全然ないんだよね〜!24Dたんは悲しいぞ!
ふふっ…もしかして、誰も聞いていなかったりして〜って、そんな事はないかぁ(笑)
じゃあ今日も行ってみよう! |
ねぇ…本当にみんないる?ボクはアイドル24D。
聞こえる?ぼくはアイドルだよアイドルだアイドルだ
アイどるだアイドルだアイどるだアイドルダアイドルだアイドル |
ひのきぼう |
おきなさい おきなさい きょうはとてもたいせつなひ。
○○○がはじめておしろにいくひだったでしょ……という乱暴な母の声が聞こえる。
少年はイヤイヤ布団から抜け出す |
今日は16歳の誕生日。王様に会いに行く約束の日だ。
いきなり仕事だと大変だから、と心配性の母親がヒノキでできた棒を持たせてくれた。
こんな細い棒で何ができるのだろうか? |
お城への道中、母親はボクの使命と崇高さと、
今日という日がいかに大事かを延々と繰り返していた。
もう聞き飽きていたが、反論するとうるさいので、いつものように黙っている |
その時、お城から同い年の友達が出てきた。精悍な眼差しはまるで未来の勇者のようだ。
お互い大変だよな、親の期待に応えるってのは…俺も立派な大工になれるようにがんばるよ |
エンジンブレード |
広い広いお部屋。小さな王子は一人で寝ていました
とうさま、とうさま。本当はひとりじゃこわくて眠れないの。
でも王子様はがまんしました。忙しい王様を困らせたくなくて |
広い広い任務室。孤独な王は一人任務に追われていました。
本当はカゾクを……息子をやさしく抱きしめてやりたい。だが駄目だ。
僅かな時間も、民のためにこの国を支え続けなけねば。 |
ひさしぶりの親子の夕食。父王は息子に欲しい物を問いました。
本当は、息子と2人、ゆっくりと過ごしたかったのだけど。
やがて、息子はゆっくりと、ある一振りの剣を指差します |
それは王家伝わる剣。国を継ぐ証。
「いつかな」と父王の笑はどこか寂しく。王子も少しだけ微笑み返し。
…本当は、一緒に絵本を読んでほしかったのだけれど |